広報あぐい

2013.05.01


広報あぐい トップ » その他(2)

阿久比川柳会作品

課題「豆」「感じる」
豆を食べ我が身中しんちゅうの鬼払う 砂 絵
目に見えぬ春を肌身が感じ取る 利 夫
嬉しくてそっと蓋取る豆ごはん 正 江
早過ぎる 孫も抱かずに逝きし友 風 露
豆粒ほどの癌がこの身を弄ぶ ますみ
もう少し右いや左其処そこがつぼ 小五味
黒豆の色と艶との自己主張 みつば
読み聞かせ目の輝きが周波数 早那恵
豆の味噌 徳川育て天下取る 松 衛
好きな豆 千変万化べんばんか加工する 柚 子
老い二人 阿吽の呼吸思いやり 穂多留
感知され全て自動が支配する 螢 子
豆つぶのような島でもわが領土 寿美子
五感研ぎ澄ませ未来の空へ飛ぶ 滋 矩

苗代句会三月作品

一と声の初音に山気漲れる 岡戸 隆明
香の物手窪に受けし遍路寺 溝ロスミ子
種床の日割ノートを朱で囲む 下内のぶゆき
親も子もでんぐり返し青き踏む 安井まこと
敷藁に湯気ほのぼのと地虫出づ 北中 祥子
かぎろひて荒野めきたる地震ないの町 菅原ルリ子
塗替へし艇庫ていこの扉風ひかる 新美 京子
妻留守の独りの厨目刺焼く 赤津 千城
落椿踏ませぬ気品漂はす 前田 泰男
幾年や祖母の土雛つちひな眉うすく 深谷  靖
怠慢を齢に託ち春炬燵 新美 弘子
春蘭を根元にしかと姥目樫うばめかし 豊田 定男
札所径お遍路さんの杖の音 井本 庄一
がじゅまるの立ち根に覗く藪椿 名倉 英二
水温む弥勒みろくの微笑半跏像はんかぞう 森  禎史
おうな抱く能登朝市の春火鉢 相澤あき子