広報あぐい

2012.01.15


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★苗代句会作品集

兼題「枯菊」「日向ぼこ」
添竹の傾きしままに菊枯るる 岡戸　隆明
浮雲の行方眺めて日向ぼこ 新美　弘子
菊枯るる憂楽斉（ゆうらくさい）の茶室かな 下内のぶゆき
宅老の縁側競う日向ぼこ 豊田　定男
頼まるる子守りの楽し日向ぼこ 北中　祥子
枯菊を焚く香畑の夕闇に 菅原ルリ子
空耳に返事をしたる日向ぼこ 浅利　和子
せつかちの我になじまぬ日向ぼこ 溝ロスミ子
それぞれの過去あたたむる日向ぼこ 前田　泰男
寄り来たる犬の背撫（な）でて日向ぼこ 深谷　　靖
菊枯れて寂しき庭の陶狸 新美ハ枝子
日向ぼこにわかにかげり雲はしる 井本　庄一
遺品焼く枯菊添えてとむらいし 安井まこと
日向ぼこ浮世を少し離れたる 名倉　英二
菊枯れて栄枯盛衰（えいこせいすい）城の跡 森　　禎史

★狂俳英比会

十二月の巻

折シワス しみじみと我が生き方の煤はらう 竹内良太郎
折シワス 七五三和服姿ですまし顔 稲葉　景久
浮寝鳥 波に揺られて夢を追う 南　比左子
浮寝鳥 池のゆりかご群れ集う 大村　浩嗣
受付嬢 会社の品位窺える 前野　定三
うまいうまい 妻の手料理世辞を言う 北村久美子
うまいうまい 素人漫才よくできた 原　　　穣
魚河岸 セリ声高く声弾む 竹内　邦彦
魚河岸 街の胃袋待っている 加藤　荘吉
腕試し 強豪校の胸かりる 竹内真一郎
腕試し 難関校を受験する 山内　和子
嗽（うがい） 風邪の予防にやるとよい 大橋　龍男
嗽（うがい） 園児揃ってコップ持つ 住ノ江雅子
浮世絵 江戸情緒版画に託す 長谷川端一
浮世絵 五十三次目に浮かぶ 桜井　龍夫