| 大空を忙しなく走る雲数多 蜘蛛の巣のごと天気図渦巻く |
岡本 育与 |
| 言霊の幸う国の国長の軽き言の葉悲しかりけり |
三留 享 |
| 参ったと畳の土俵に祖父ころぶガッツポーズの孫とくい顔 |
竹内 久恵 |
| 幼き日住みたる地なれば懐かしき春霞立つ日本橋界隈 |
渡辺百合子 |
| 亡き母の使いし湯たんぽほのぼのと病いの我の心温める |
山口  |
| 百までも生きる望みはないけれど残しておきたいわれが足あとを |
山本きさ子 |
| 目をこらし冴えし夜空の星を見る 星座は移れり冬のものへと |
勝 曉子 |
| 期待して乗った鳩山難破船赤字国債誰に負わすか |
木村 久世 |
| 美味しいと言われて励む手料理も又かと夫の目線はコロッケ |
桃井 昌子 |
| 流されず逆らわないで自然体地域の中で仲良く暮らす |
山崎 淳子 |
| 吾が齢を何かと安ずる家人に感謝しつつも自ら律す |
大村寿美子 |
| 入会をされると聞いて緊張と劣等感が我にのしかかる |
橋立 智子 |