
真剣に土のう積み訓練に取り組む参加者
「伊勢湾台風50年阿久比町防災訓練」を8月23日、町多目的広場(阿久比中学校西)で行いました。
伊勢湾台風の被災から半世紀が経過しました。被災から学んだ経験や教訓を風化させてはなりません。伊勢湾台風襲来から50年という節目を迎える今年は、これまで以上に“災害に強い阿久比町”を目指すことを目的に、例年よりも規模を拡大した防災訓練を実施しました。
訓練には各地区の自主防災会、町赤十字奉仕団、あいち防災リーダーなど総勢約550人が参加しました。
発生が予想されている東海地震・東南海地震が連動して発生し、伊勢湾台風並みの豪雨で河川がはんらんし、町内で多くの死傷者と被害が生じたと想定。自主防災会や団体を4班に分けて、伊勢湾台風クラスの豪雨を体験する訓練、土のうを作り積み上げていく訓練、災害救援ボランティアセンター立ち上げの運営訓練などを順番に行っていきました。
また、要援護者対策として自主防災会長、防災委員、民生児童委員が集まり、マニュアル作りに向け、地区での取り組みの発表や意見交換を行い、今年度中に要援護者対策マニュアルの作成を目指すことを確認しました。
伊勢湾台風の思い出を聞きました

豪雨を体験する参加者
「東海市で被災しました。川の堤防が切れて周りの家がすべて水につかりました。近くで70人の方が亡くなり、同級生も3人犠牲になりました。姉と給水の水をもらいにいく途中、犠牲者の遺体がむしろの上に並ぶ姿や川に浮かぶ姿を見ました。今もあの恐ろしい光景は忘れることができません」(59歳女性)
「夜の7時ころから停電して、情報源が何もなく、台風がいつ通り過ぎていくのか分からず不安でした。風が強くて家族で雨戸を押さえました。眠れない夜でした」(58歳男性)
「畳が宙に浮くほどのすごい風で、太い松が家に倒れてきました。当時中学1年生で、台風が去った後に上級生が校舎の屋根に上って瓦を直していたのを記憶しています」(62歳男性)
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経験者の記憶から「伊勢湾台風」は消え去ることはありません。自然災害はいつ起こるか分かりません。日ごろから防災に対する意識を一人ひとりが高めて、いざというときに備えてください。 |