| 父母の背な流すごと墓石を洗えば伝い来月日の重さ | 
          講師 岡本 育与 | 
        
        
          | 追いもせず追われもせずにベダル漕ぐ晩年の風によりそい走る | 
          加藤かずみ | 
        
        
          | 携帯を忘れて出れば落ち着かず必需品となりしを思う | 
          木村 久世 | 
        
        
          | 盂蘭盆会迎え火高く炎立ち帰り来ませり 亡き人しのぶ | 
          竹内 久恵 | 
        
        
          | 野辺のみち青く匂へば思ほゆる亡妻と競ひし草笛の音 | 
          田中 太平 | 
        
        
          | お湯呑の小さなみどりの海の中茶柱一つ立ち泳ぎする | 
          長坂吉余子 | 
        
        
          | 暑くても休んでおれぬ時期が来て種まき収穫めざすこの頃 | 
          新美 功子 | 
        
        
          | 知多地区の五市五町の交流会運も味方し入賞「バンザイ」 | 
          橋立 智子 | 
        
        
          | 居る場所に見えねば互いに探しゐる五十余年の愛の道程 | 
          桃井 昌子 | 
        
        
          | 勝利校の校歌流るる甲子園敗れし選手の涙爽けし | 
          山口  昇 | 
        
        
          | 朝一番天気予報を見てがっくり雨マーク消え猛暑が続く | 
          山崎 淳子 | 
        
        
          | 忘れたくても忘れられない事がある戦地帰りの兄は語らぬ | 
          山本きさ子 |