広報 あぐい
2008.10.15
バックナンバーHOMEPDF版 ダウンロードページへ

あぐいぶらり旅 
〜施設かいわいを行く (卯ノ山児童館)〜

シリーズ 阿久比を歩く 86

 



児童館で遊ぶ子ども



児童館正面玄関

秋の日の午後、卯ノ山児童館周辺にぶらり出掛けた。

役場から県道名古屋半田線を少し北に歩き、西に曲がり細い道に入ると、すぐに卯ノ山児童館が見える。

児童館の敷地に入る前の掲示板で面白いものを発見。10月4日に開催される「ふれあいハイク」のポスターの中に私たち2人の姿がある。

1年前の「ふれあいマップを歩く」シリーズで、ふれあいハイクに参加した際に撮られた写真がポスターに使用されている。笑顔で歩く2人の姿は実にりりしい。

「このポスター効果もあって今年の参加者は倍増じゃないですかね。記念にこのポスターもらおうかなあ」と友人が言う。「もらってどうするの?」。「いつもこんな笑顔で『ぶらり旅』を続けていることを妻に見せます」。「それはいいことかもしれないね…」。

児童館は昭和51年3月に完成。子どもたちが遊具などを使い、自由に遊ぶことができる場所だ。週に3回「あそびひろば」が催され、保護者には、子どもを遊ばせながら子育ての情報交換の場にもなっている。

友人も小学生のころに遊んだことがあるらしく、当時を懐かしむ。幼い純粋な気持ちを持った多くの子どもたちがこの場所から巣立っている。児童館の中をのぞく。3人の男の子たちが無邪気に遊ぶ。

「おじさんたち何しに来たの」と聞かれる。「このおじさんが昔ここで遊んだことがあるって言うから、ちょっと寄ってみたんだよ。ところで君たち宿題終わったか?」。私が尋ねると「まだ。ここで遊んで、ご飯食べたらやるよ」。子どもらしい答えが返ってくる。

児童館を後にして、先ごろ卯之山地区で虫供養が行われた津嶋神社を訪ねる。小屋が作られ、鉦や太鼓が鳴り響き、多くの人でにぎわった供養の日とは違い、境内は静かだ。虫供養で建てられた大塔婆はそのまま残されている。

大塔婆を前にして友人がぼそりと言う。「子どもたちに『おじさん』と呼ばれ少しショックですね。児童館を巣立ってから20年もたつのか」。「児童館で遊んだから今の君があるんだと思うよ」。「そうですよね。でも、『おじさん?』か。まあいいか『おじさん』で」。



<<前ページへ ▲目次ページへ 次のページへ>>