

阿久比川を泳ぐカモ

芸術的な“アーチ”を描くオアシス大橋

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土曜日、天候は曇り。役場に集合して前回に続き県道55号線のぶらり旅に出掛ける。
町一番の繁華街で、高層マンションが立ち並ぶ(少し大げさ)阿久比駅前を歩く。「10年一昔」と言うが、ここ数年で駅前もかなり様変わりをして、にぎやかになっている。普段、車で通っている道も、歩いてみるといつもと雰囲気が違い、住んでいる人や働いている人の気配を感じ取ることができる。
名鉄電車の踏み切りを渡った付近で、車に乗った職場の男性とすれ違う。助手席には見たことのない女性が座り、2人で楽しそうに話している。(後日聞いた話では、女性は妹?らしい。)
少し歩くと、見慣れた阿久比の風景。南北に田園が広がってくる。阿久比川の堤防を駆け上り、川をのぞく。残念なことに、ゴミが捨てられているのが目立つ。川の素晴らしい景観がだいなしだ。気分が落ち込む。
気を取り直して、歩き続ける。後ろを振り返ると、町の東西を結ぶ橋「オアシス大橋」の全景が見える。緩やかな弧を描く“アーチ”は、まさに芸術作品だ。
さすが県道だけに、車の交通量が多い。大きなトラックが通るたびに風圧で体が飛ばされそうになる。
阿久比川と平行して道は続く。足を止めて川に再び目を向ける。7羽のカモたちが気持ちよさそうに列を作り、川の流れと逆方向に泳ぐ。1匹のカメは石に上がり、あくびをしているかのように首を長く伸ばす。近づこうとすると、人影に気付いたのか、カモは飛び立ち違う場所に移動、カメは水の中にもぐってしまう。くつろいでいた動物たちの邪魔をしてしまった。自然を壊してしまうのはいつも人間の影があるのかと思い反省。
県道55号線を行く旅は半田橋まで歩いて終了とした。ゴールはしたがスタート地点の役場まで帰るには、また歩いて帰るしかない。友人が「車で、誰か知った人通りませんかね」と弱音をはく。「最近肥えすぎて腹回りが気になるから、がんばって歩くぞ」と私がげきを飛ばす。「じゃあ、ちまたで流行中の“ウォーキングダイエット”といきますか」。2人で両手を上げ、腰をくねくね動かし、鼻歌を歌いながら阿久比川右岸提を歩いた。 |