  
                    大古根村絵図(阿久比町誌資料編1村絵図解説書から)  
                 
  | 
               
             
            今回は大古根村絵図を見ながらぶらり旅に出掛けた。 
            絵図を見ると、この村は東西に長く東の方は川に囲まれた形で田が広がり、その横に集落が見られるのでこの辺りを中心に歩くことにした。 
            まずは絵図にある 慶寺を目指す。きつい坂道を上りきった場所に寺は建つ。沿道から見える畑に、菜の花が色鮮やかに咲く。民家の花壇にはスイセンの花がちょうど見ごろを迎え、順番を待つかのようにチューリップの芽が顔をのぞかせている。春はもうそこまで来ている。(私もついに花粉を感知し、目の周りがとてもかゆい。確実に春到来。) 
            寺の境内をぐるりと周り、次に八幡社へ向かった。細い道を通り抜け神社に着く。 
            東側入口の看板で神社の由来を読む。「社伝によると菅原道真の孫、英比丸が英比郷を開くと、その四男菅原道清が、天暦5年(951)古新田村から八幡社を移して氏神とした」とある。 
            境内には立派な入母屋造の屋根で、東を正面にした常舞台(神楽殿)が建っている。神社拝殿前には狛犬が左右に置かれ、その後ろには道真の愛した梅がちらほらと咲き始めていた。 
            絵図に地蔵堂が現在の上ケ畑辺り、薬師堂が八幡社の隣にあり、そこに入っていた「薬師如来立像」と「地蔵菩薩」が、今は八幡神社から県道を挟んで南側の薬師堂に安置されているらしいので行ってみることにする。 
            大古根地区で「おやくさん」と呼ばれる薬師堂の中で、おばあさんが2人こたつに入り、にこやかに会話をしていた。 
            声を掛けると外に出てきてくれた。「毎日ここに来て、おやくさんたちといっしょにいるのが日課ですよ」。「歳も80を超えました。元気で暮らせるのもここで遊ばせてもらっているおかげかな」と気さくに話しをしてくれた。 
            帰り際「これからも元気で長生きしてくださいね」と私たちが言うと、「あなたたちも、お仕事がんばってくださいね」と激励された。おばあさんたちは、私たちの姿が見えなくなるまで手を振ってくれていた。(おもわず胸が熱くなった。)             
           |