広報あぐい

2015.12.01


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阿久比川柳会句会作品

課題「虫」「座る」
座っても筆進まない夏バテね 洋 子
取り敢えずひっつき虫を寄せ付けず なごみ
若ぶってやっと座った席譲る 柚 子
本の虫秋の夜長の幕が開く 和 子
先ず座り歩く功徳をひとくさり 久 良
涼風にすだく虫の音いとおしむ 早那恵
砂かぶり力士の背中汗を見る
静寂の中で鳴いてる腹の虫 風 露
すだく虫秋の夜長の天下取り 寿美子
子育てに耐えたぼろ家に座が二つ 小五味
腹の虫秋じゃ秋じゃと浮かれるな ますみ
父の説教を正座が聞いている 螢 子
笑み浮かべじっと我慢の腹の虫 順 子
頂点に座ると見える深い闇 穂多留
腹の虫納まりつかね新安保 龍 東
座禅して山門出れば風も凪ぐ 君 江
アラフォーや蓼食う虫に期待する 千 世
母の座の座り直しの効かぬ席 好 奇
意外にも座席譲られ己知る タチ子
筋トレの日々で弱虫脱ぎ捨てる 滋 矩

苗代句会

十月作品
灯を消して虫鳴く闇とつながりし 岡戸 隆明
障子貼る欠けたる桟は喧嘩跡 安井まこと
翅傷め窓に張りつく秋の蝶 下内のぶゆき
歩き出すまでの朝寒なりしかな 豊田 定男
裏木戸の小さき止め金萩の寺 北中 祥子
波がしら重ね岬の秋深し 新美 京子
秋澄むやぐっと近づく御嶽山 溝ロスミ子
書に耽る窓辺の日差し秋うらら 赤津 千城
干柿のしづかに皺を増やしゆく 前田 泰男
秋深しきょうも留守らし両隣 深谷  靖
鵙猛る鋭く光る猫目かな 井本 庄一
花野へと続く木道渡りをり 名倉 英二
鉈彫の菩薩の微笑や初紅葉 森  禎史
青空や透ける白さに秋の雲 桑山 福郎
荒涼の刈田で遊ぶ群れ鴉 新美 英紀