広報あぐい

2013.08.15


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苗代句会 六月作品

薫風や写経の墨の香もほのと 岡戸 隆明
ダンディと褒められ買ひぬ夏帽子 溝ロスミ子
試歩の杖病廊巡り沙羅の花 下内のぶゆき
父の日と言われ気のなき振りをして 安井まこと
衿立てて無頼を気取る桜桃忌 北中 祥子
手びねりの花器に適ひし濃あじさゐ 菅原ルリ子
草茂るこのしづけさに野の墳墓 新美 京子
鎮魂の誦経ずきょうに和する蝉の声 赤津 千城
若き日の夢の欠片かけらや紙魚の画布 前田 泰男
空梅雨の旅に重たき雨合羽 深谷  靖
夏帽子声とどかねば三度振り 豊田 定男
秒針の早さに合はず蝸牛かたつむり 井本 庄一
夾竹桃咲いて寝辛きとき来たる 名倉 英二
交々こもごもの虚ろな想ひ額の花 森  禎史
軸装じくそうにして鷺草の巻頭句 相澤あき子

阿久比川柳会句会作品

課題「螢」「装う」
小さくも数集まれば何ボルト 正 江
まだ青春ダンスの服で競い合う 寿美子
柳影 川面に浮かぶ蛍の灯 利 夫
クールビズ 冷房かけず汗かかず 砂 絵
蛍光灯 一息ついて答出す 穂多留
今一つぱっとはせぬが一張羅 みつば
発光器 オレも欲しいと油虫 ますみ
善人を装う芝居演じ切る 君 江
蛍の光 歌って想う故郷の山 風 露
転んでも常を装うやせがえる 螢 子
いつまでも絵になりたくてピンク着る 早那恵
夏の陣 源氏と平家乱れ飛ぶ 松 衛
若づくり赤をまとって花になる 柚 子
身に付けたブランド品が俺の価値 小五味
蛍光灯で世の荒波に鈍く住む 滋 矩