広報あぐい

2013.04.01


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幼・保・小・中 一貫教育プロジェクト

〜全国へ発信(134)〜

□問い合わせ先 学校教育課サタデースクール担当 TEL (48)1111(内202)

絶大なるご支援に感謝

平成17年4月1日に縁あって教育委員会教育長を拝命し、以来2期8年間、大きな問題もなく無事に滞りなく終えることができました。これもひとえに町民の皆様の温かいご理解とご支援の賜であります。心から感謝申し上げます。

全国いたる所で、教育問題が注目され、その対応については国民的話題になっていますが、町の教育活動などが順調に進められたのは、子どもたちや保護者、地域の皆様の良識ある姿勢、考え方、言動に支えられるとともに、保育・教育に直接携わっている保育士や教職員が園長や校長の考え方や方針を十分に理解し、日々の実践に情熱、責任感、使命感をもって取り組んでいただいたおかげであると心から敬意を表するところです。

平成17年6月と9月の議会で教育長としての教育方針を述べさせていただいたことを思い出します。教員時代から「人育て、人づくりは連続性の中での営みである」と考え、小学校と中学校の教員の認識の違いを現実視していたことから、取り組みの第一として「幼保小中の指導者の意思疎通」を促すこと、第二として阿久比中学校の一層の充実を図ることを目指した幼保小中一貫教育プロジェクトを10月に立ち上げました。その中で0歳から15歳までの保育・教育をどう具現化させていけばよいかを探究することとしました。指導者の精力的な取り組みによって、5部会が設置され、実態把握としてアンケート調査、集計、考察などを実施し計画作りも順調に進みました。平成19年度には早くも計画を実践に移し、日々の教育活動も熱を帯びてきたとき、町の取り組みに間違いはないのか、方向性は正しいのかを世に問いたいと考えました。それが平成19年11月2日(金)の「あぐい教育の日」の目玉として開催した「第1回阿久比町幼保小中一貫教育実践発表会」です。当日は全園・全小中学校で公開保育・公開授業を実施後、ご多用の中お越しいただいた文部科学省初等中等教育企画課長の常盤豊様に「本物の教育とは」という演題でご講演を賜りました。さらに「教育の今日的課題と子育て」というテーマで常盤豊様、上越教育大教授の西川純様、本町在住で作家の海月ルイ様、東部保育園園長の阪埜彰人様、愛知教育大教授の川上昭吾様によるシンポジウムを開催し、教育の方向性について熱く語っていただきました。取り組もうとしている幼保小中一貫教育の確かさを検証することができました。以来、5部会の創案により教育活動は本格的に進められ、事務局も教育委員会からプロジェクト会長校に移し、トップダウンからボトムアップという組織に変革しました。研究活動と相まって実践活動も活発化し、「未来を託すことのできる人間」の育成を目指した取り組みは順調に進み、保育士、教員の意識も大きく変革してきました。また、子どもたちの姿にもその成果が表出されるようになりましたが全国的にいえば、依然としていじめ・不登校・学級崩壊や学力・学習意欲の低下など児童生徒の問題が山積しています。阿久比町も引き続き、一層心を引き締め、協力体制を密にした教育活動に取り組んでいくことを確認し合いました。

平成22年10月29日(金)には「第2回阿久比町幼保小中一貫教育実践発表会」を開催しました。初等中等教育の大御所である早稲田大学大学院の安彦忠彦教授、幼児教育の第一人者である東京大学の秋田喜代美教授と竹内啓二町長をパネリストに、愛知教育大学の川上昭吾名誉教授をコーディネーターに迎え「教育の今日的課題や園学校、保護者・地域、行政の連携と役割」をテーマに語っていただきご指導、ご示唆賜りました。取り組みの確かさを再確認するとともに、さらなる前進を目指し、幼保小中一貫教育プロジェクトの組織を5部会から4部会に変更しました。その中で進められてきた精力的な実践活動の様子や内容を、平成25年10月31日(木)に開催の「第3回阿久比町幼保小中一貫教育実践発表会」で公開する予定です。

人間は奇跡と言われるほどの確率で、この世に誕生します。しかも、どの赤ちゃんも「オギャー」と泣きながら目も耳もきかず、這うことも立つこともできないで生まれてきます。人生の長さは人それぞれに違いはありますが、自己実現に向けて永々と航海を続け、人間として、日本人として、たった一つの命を社会のため、人のために燃やし続けます。自分探しの旅、すなわち「生涯学習」を積極的に支援し、情報提供していくのが教育委員会の使命でもあります。「生涯学習」の基礎・基本を育む時代が幼保小中の15年間であります。もう一度、原点に立ち、本物の保育・教育を探究していただければ幸いです。8年間のご支援に対して心から感謝を重ねて申し上げます。本当にありがとうございました。

私の後任として教育委員に選任された石井勝巳氏は、豊かな人間性と高い見識の持ち主であり、英知に富んだ素晴らしい教育者です。これまでの経験を十二分に生かし、リーダーシップを遺憾なく発揮され、新しい町の教育を構築してくれるものと確信しています。

最後に阿久比町並びに町の教育のさらなる発展と飛躍を期待するとともに町民の皆様の前途に幸多かれとエールを贈りお礼とします。