広報あぐい

2013.04.01


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苗代句会二月作品

海光の眩しさすでに春兆す 岡戸 隆明
不揃いが露地物らしやふきとう 溝ロスミ子
法面にお辞儀する如黄水仙 下内のぶゆき
下萌したもえやスパイクの爪ぐいと噛み 安井まこと
冴返さえかえる運河に架かる石の橋 北中 祥子
故郷訪ふことが供養や鳥帰る 菅原ルリ子
あたたかや真魚板まないたたてて水流す 新美 京子
手袋を咥えて外しバス定期 赤津 千城
雪吊りの解かれて松の深呼吸 前田 泰男
日脚ひあし伸び気ままに乗りし無料バス 深谷  靖
上弦の月冴え返る通夜の道 新美 弘子
通院も生活たつきの一つ日脚伸ぶ 豊田 定男
赤い屋根梅咲く里に保育園 井本 庄一
踏青とうせいやここも家建つ縄張られ 名倉 英二
しがらみの憂ひを残し春寒し 森  禎史
鯱二頭春の船縁ふなべり並走す 相澤あき子

阿久比町短歌の会

被災地の大地を覆いし夏草の枯れてセピアの夕暮れ迫る 岡本 育与
浴室のガラスを激しくふるわせて寒波過ぎ行くいと足早に 勝  暁子
藪椿冬のさ中に彩添えて吹雪の中に今日も微笑む 橋立 智子
寒の入り亡母ははの湯たんぽ抱きしめて布団にもぐり風の音聞く 加藤かずみ
老妻と小さな諍い始めれば女孫めまごはそっとお茶を持ち来る 山口  J
いそいそと着がえて今年も初詣でかがり火焼えて火の粉飛び散る 竹内 久恵
今年また初春祝う屠蘇の膳巡る盃とどめに受くる 大村寿美子
浄土にはまだ旅立てぬ生かされて今日あることに感謝しており 渡邊百合子
金の鯱のお守り胸に抱きしめて連れ立ち歩く名古屋は楽し 佐野 雄造
さらわれて行ったと近所の人の言うピーコの幸せ祈るも悲し 桃井 昌子
風が吹く伊勢の大神宮おおみや神さびてかへりくるかほ皆清々し 三留  享
節分は幾度こえても春を待つ心はずみぬ何するも無きに 山本きさ子