広報あぐい

2011.11.01


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苗代句会作品集

兼題「月」「爽やか」
仰ぎつつ静けさ歩む月の道 岡戸 隆明
月を待つ旅の土産の地酒酌み 赤津 千城
悠然ゆうぜんとんび高舞ふ爽気かな 新美 弘子
爽やかに隣家の少女ピアノ弾く 下内のぶゆき
月光に抱かれ眠る蔵の街 豊田 定男
初恋の人の死を知る初月夜 北中 祥子
秋さやか遊行ゆうこう絵巻の僧若き 菅原ルリ子
月の客月に一札して座る 新美 京子
再会を約す握手の爽やかに 溝口スミ子
爽やかや新表札の墨の色 前田 泰男
爽やかな一語に心開かせれ 深谷  靖
爽やかなややの小さな片笑窪 新美八枝子
観満ちて月へ一吟話けり 井本 庄一
古城去る天守の月に名残りして 安井まこと
稚児ちごあゆみ爺の微笑ほほえむ爽やかさ 名倉 英二
爽けしや木の香の匂ふ大塔婆 森  禎史

阿久比町短歌の会

一瞬に安全神話の崩壊す想定外とう言葉の虚しさ 岡本 育与
去年の秋共にまつりを楽しみて逝く約束はしなかったのに 加藤かずみ
猛暑には図書館詣でで避暑気分のんびり読書うたたねもあり 山崎 淳子
夕暮れて二重ふたえに雲の重なりて金の縁どり輝やきて見ゆ 勝  曉子
人の世のまさかの坂を刷り込んで毎朝ポストに新聞届く 奥田 貞子
生まれしそれが運命さだめか貧富の差貧しさの理由わけ知らずに生きる 木村 久世
老漁師カキ養殖を迷いしもやる気を起させし広島の人 橋立 智子
飲みこみし思ひは言はずさりげなく交す会話のそれなりに弾む 長坂吉余子
今日は無事明日はわからぬ老なれど朝顔の種子日付けしておく 竹内 久恵
たおやかにされど凛としなでしこの日本女性世界に躍る 大村寿美子
待ちわびし初風著く見えねども川面に尾花白くそよげり 三留  享
公園の池に蓬の葉満ち溢れ淡きピンクの花数多咲く 佐野 雄造