広報あぐい

2011.06.01


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阿久比町短歌の会

放射能は色も匂も音もなく魔物のごとく海洋めぐる 岡本 育与
あかね雲背に立つ冬のさるすべり黒ぐろとして空をつかみぬ 勝  曉子
東北の大震災を知らぬげに鶯の初鳴き長閑に聞こゆ 大村寿美子
に家も漁船も無き浜に立つ少年の手に卒業証書しょうしょあり 山本きさ子
玉葱のあはひにふるはこべらをむしれば春の匂ひ漂ふ 竹内 清己
陸奥みちのくのリアスの海なる故郷は波に呑まれて消え失せにけり 三留  享
土手ぞいに土筆のぼうやがにょきにょきと春待ち顔で背比べする 橋立 智子
地震後の被害の数字変わるごと時間ときが魔物に思えて怖い 木村 久世
認知症のテストを受けし老いし我れ受験生のごと結果を待ちおり 山口  J
日本の誇る原発天災に脆くも屈せり汚染に怯える 桃井 昌子
久遠寺に上着脱ぎ捨て春を背にしだれ桜を求めて歩く 山崎 淳子
食べる時寝る時お風呂に入る時深く感謝し一日ひとひを終える 渡辺百合子