広報 あぐい
2010.08.01
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毎年ホタルと出会えるために

〜ホタル特集〜

 

人々の心を癒してくれるホタル。今年も町の水田や川のほとりで見ることができました。生息分布調査を行った結果をお知らせします。


写真提供  阿久比町ホタル研究会委員 竹内俊夫さん


ほたる観察会でホタルを見る来場者

奈良時代に編纂された『日本書紀』では、“ほたる火のように光る神がいる”と「螢」の文字が見られます。平安時代になると、『源氏物語』『伊勢物語』『大和物語』などの作品に「蛍」が登場し、ホタルは夏の風物詩として親しまれてきました。

古くから、多くの物語や歌に詠まれ、愛されてきたホタルですが、近代化が進むにつれ、その姿を見る場所は減少しています。

ホタルは、心を癒してくれるだけでなく、生息している環境が安全であることを教えてくれます。ホタルが生息するにはきれいな水環境が不可欠です。豊かな自然に生息するホタルは“環境のバロメーター”です。

阿久比町では昭和58年から「ホタル飛びかう住みよい環境づくり」を目指し、町内に生息しているヘイケボタルの発生状況や生態などの調査研究を行っています。

今年もヘイケボタルの生息分布調査を、6月の下旬から小中学生をはじめ多くの皆さんの協力を得て行いました。

6月25日と26日の2日間、ふれあいの森ホタル養殖場で開いた「ほたる観察会」には約1,400人、6月29日に東部小学校で行われた「ホタル鑑賞会」には約580人の来場者がありました。ホタルの幻想的な光は、多くの皆さんに感動を与えました。

10月には、生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)が名古屋市で開催されます。会議は「地球上の多様な生物をその生息環境とともに保全すること」などを目的としています。阿久比町からも6月25日に開催した「ほたるサミットあぐい'10」で、多様な生物の保全推進を全世界に発信しました。

来年もホタルに出会うためには普段からの心掛けが大切です。ゴミのポイ捨てをしない、川を汚さないなど…。7月19日「海の日」に、あぐいくらしの会の呼び掛けで有志の皆さんが、7月20日には草木小学校の児童らが草木みどりサミットの一環で川の浄化を目的に、EM菌の混ざった団子を町内河川に投入しました。小さなことですが、続けて行けばホタルを守り、地球環境を守ることにつながります。

ホタルは心を癒してくれるだけでなく、命の大切さ、自然の大切さを教えてくれます。昔から愛され続けている「ホタル」を後世に伝えていきましょう。



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