広報 あぐい
2008.10.15
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伝統を守る虫供養

〜オアシススケッチ〜

卯之山地区で盛大に開催

 

愛知県の指定無形民俗文化財「知多の虫供養行事」阿久比谷虫供養が9月23日、卯之山地区の津嶋神社で開かれ、伝統行事を一目見ようと、多くの人が集まりました。


掛け軸を前に百万遍念仏を唱える同行

農作業で犠牲になった虫を供養するために念仏を唱えたことが始まりといわれています。“クヨ”は平安時代の終わりころから続く民間信仰行事で、現在では町内13地区の持ち回りで行われています。

卯之山地区は、1年前に阿久比地区から引き継いだ供養の道具一式を寒干しや土用干しなどをして大切に保管してきました。津嶋神社境内には大道場と8つの小屋を設け、町指定文化財の12幅の掛け軸などが飾られました。

供養場には朝から(かね)の音が響き渡りました。午後、地区の子どもたちの囃子の奉納後、大道場では同行約30人が2時間に渡り、百万遍念仏を唱えて虫供養を行いました。

大塔婆の前に敷かれた砂山を、乳幼児にはだしで踏ませると、「かんの虫封じ」などになると言い伝えがあり、多くの家族連れの姿もありました。

夕方が近づくと供養場の小屋が取り壊されました。厳粛なムードの中で、来年の当番に当たる坂部地区への引渡しが行われ、伝統行事はまた来年へと引き継がれていきました。


子どもに砂山を踏ませる父親

虫供養の道具一式は坂部地区へ

シラタマホシクサが満開

〜オアシススケッチ〜

板山高根湿地に群生する
シラタマホシクサ

普段は一般開放していない板山高根湿地に生息している貴重な植物や生き物を知ってもらおうと、町教育委員会が参加者を募り「自然観察会」を開きました。

9月19日と26日の2日間行われた観察会ではシラタマホシクサを約40人の参加者が観賞しました。シラタマホシクサは東海地方にしか成育しない珍しい植物です。細い茎の先に真っ白な花を咲かせ、形がコンペイトウ菓子に似ていることから「コンペイトウクサ」とも呼ばれています。

参加者は、池の周りに星をちりばめたように群生するシラタマホシクサに見入っていました。



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