黒板塀の歴史ある風情が残るエリア
「阿久比川に海が入り込んでいた頃の史跡もあるのよ」と秋葉さん。このエリアには西側の阿久比川沿いに田んぼが広がり、学校や住宅地など生活拠点のある東側には知多木綿の工場や旧味噌蔵といった産業の跡も残る。「宮津には酒屋や洋品店などの商店が連なるメイン通りもあったんです」と晋空さん。今もコールタールで塗られた黒板塀や壁の風情が所々で見られる。
懐かしい「はざかけ」が残る風景。
「地震の時、子どもたちは
この中に避難したのよ」と秋葉さん。
「地震の時、子どもたちは
この中に避難したのよ」と秋葉さん。
黒板壁の建物が残るエリアを抜けると
“トトロ道”に繋がる。
“トトロ道”に繋がる。
案内してくれる谷性寺の住職ご夫婦のお気に入りは、
冒険心をくすぐる萩や宮津に多い丘の様子が体感できる坂道。
冒険心をくすぐる萩や宮津に多い丘の様子が体感できる坂道。
地元の人も迷う?小道の宝庫
地図アプリにもない小道を抜け、たどり着いたのは、野生の鴨が泳ぐ静かなため池や、山神を祀る祠。秋葉さんおすすめの場所だ。谷性寺周辺も探検したくなる小道が多い。矢野さん一家の通称〝トトロ道〟は、木々がトンネルのように覆う里山を登る細い道(狸を見かけたこともあるとか)。萩の丘の小道からは「西側の丘が、対岸の島に見えるんです」と美佳さん。稲穂の波が広がる上を、赤い電車がコトコト横切る姿と音もアニメ映画のワンシーンのようだ。
地元につづく祭りがコミュニティを作っている
驚いたのは、新しい住宅地でも、若い世代にも、地区の祭りや盆踊りなど昔の風習の良さが伝わっていること。「開発された地区は氏神様がいないけど、盆踊りなどの行事がきちっとしていて嬉しい」と鈴村さん。中野さんも「有名な祭りより、幼なじみに会える地元の祭りが好き」という。彼女が「友人たちといつか一緒に地元で子育てしたいねって話してるんです」と教えてくれたのも心に残った。











