広報あぐい

2013.09.01


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阿久比町短歌の会

悲しみの降り注ぐような今朝の雨 凌霄花の朱の花ゆるる 岡本 育与
彼岸花誰が供えしか地蔵様夕陽に映えて笑みておられぬ 山口  J
今年また「母さん梅漬けお願いね」準備万端指図待つ嫁 大村寿美子
七夕の短冊の飾り嬉しげに孫の笑顔は白百合の花 佐野 雄造
さざ波の花びらよけて泳ぎいる鴨の姿にゆく春惜しむ 竹内 久恵
いにしえの昔をしのぶ花かつみ咲き継ぎ咲き継ぎ今盛りなり 橋立 智子
シャリシャリと葉を食べ荒らす青虫はカラーの葉裏の住人でした 加藤かずみ
朝の陽を枝葉に留む昨夜きぞの雨そよ風ゆらす黄金のしずく 山本きさ子
短パンを穿き颯爽と行く乙女「きれいなおみ足」つい言の葉に 桃井 昌子
再びは聞く事のなき友の声低きトーンの声の懐かし 渡邊百合子
幼らが急ぎて通う川辺道早苗の空はさえずり賑やか 三留  享

苗代句会七月作品

すぐ風にさらわれさうな夏帽子 岡戸 隆明
南吉の童話の里の初蛍 溝ロスミ子
麦藁帽脱ぎて憩いし五穀飯 下内のぶゆき
昼寝顔欲を出さねばみな仏 安井まこと
自転車と共に乗船夏休 北中 祥子
喜捨きしゃすこしいのりを終えし涼しさに 菅原ルリ子
屋根掛けて恋の叶ふといふ泉 新美 京子
列車待つ無人ホームの草いきれ 赤津 千城
浴衣着て行きどころなく座りけり 前田 泰男
あと少し少しきりなく草を取る 深谷  靖
底紅そこべにのひと日の命凛と咲く 新美 弘子
黄昏たそがれし藪に老鶯ろうおう啼き急ぐ 豊田 定男
校庭に涼しさ誘ふピアノの音 井本 庄一
座姿ざしのまま眠りに落つる夏の午後 名倉 英二
熱き茶の喉ごしさやか土用入り 森  禎史
ねんごろに鰹節かつぶし削る冷奴 相澤あき子