2013.03.01
広報あぐい トップ » その他(2)
★苗代句会一月作品

兼題「風花」「闇汁」
風花や新機種見上ぐ農具市 |
岡戸 隆明 |
風花や雲の合間に昼の月 |
溝ロスミ子 |
朽ち果てし給水塔に風花す |
下内のぶゆき |
一かじりロに火の付く闇夜汁 |
安井まこと |
天界の散華の如く風花す |
北中 祥子 |
紅一点闇汁会を取り仕切る |
菅原ルリ子 |
顔へくる風花旅の跨線橋 |
新美 京子 |
風花や夢に斃れし志士の墓 |
赤津 千城 |
迷ひ箸闇汁ならば許さるる |
前田 泰男 |
闇汁に吾が入れし物誰すくふ |
深谷 靖 |
清閑の杜風花の華やげる |
新美 弘子 |
甲斐の虎兵を休めて闇夜汁 |
井本 庄一 |
闇汁の鍋に繋がる一派かな |
名倉 英二 |
闇汁や疑心暗鬼を閉じ込めり |
森 禎史 |
闇汁に小骨絡みし喉ぼとけ |
相澤あき子 |
★阿久比町短歌の会

音もなく沈む夕日の重たさよ茜雲最後の光を放つ |
岡本 育与 |
かなしみも悔いも鎮かにあらしめてゆず湯に浸る至福のひと時 |
竹内 久恵 |
年の暮れ心せわしき折柄に輪をかく如く政界ゆらぐ |
大村寿美子 |
もう春が阿久比野に来しか年の始め歩いて出会う菜の花畑に |
渡邊百合子 |
正月に帰省の孫を思いつつ昆布巻く妻のハミング流る |
山口 曻 |
選挙にて我の一票勝利にと暮らし潤う糧になるなら |
橋立 智子 |
障子戸に犬を吠えさす祖父の指影絵あそびも昭和も遠く |
加藤かずみ |
年重ね体の内外薄れ行く巡る春なし老いと言う身は |
山本きさ子 |
氏神様に初詣でして健やかに暮らすを願ふ元旦の朝 |
佐野 雄造 |
老いつつも励ましあえる幸せを話の端々夫と語りぬ |
桃井 昌子 |
漆黒の空に輝く月影は動かぬままの姿保ちぬ |
勝 暁子 |
「いざ行かむ 己が責務」と微笑みて暗き炉室へ向ひし益荒男 |
三留 享 |
