2011.11.01
広報あぐい トップ » その他(2)
★苗代句会作品集

兼題「月」「爽やか」
仰ぎつつ静けさ歩む月の道 |
岡戸 隆明 |
月を待つ旅の土産の地酒酌み |
赤津 千城 |
悠然と鳶高舞ふ爽気かな |
新美 弘子 |
爽やかに隣家の少女ピアノ弾く |
下内のぶゆき |
月光に抱かれ眠る蔵の街 |
豊田 定男 |
初恋の人の死を知る初月夜 |
北中 祥子 |
秋さやか遊行絵巻の僧若き |
菅原ルリ子 |
月の客月に一札して座る |
新美 京子 |
再会を約す握手の爽やかに |
溝口スミ子 |
爽やかや新表札の墨の色 |
前田 泰男 |
爽やかな一語に心開かせれ |
深谷 靖 |
爽やかな嬰の小さな片笑窪 |
新美八枝子 |
観満ちて月へ一吟話けり |
井本 庄一 |
古城去る天守の月に名残りして |
安井まこと |
稚児あゆみ爺の微笑む爽やかさ |
名倉 英二 |
爽けしや木の香の匂ふ大塔婆 |
森 禎史 |
★阿久比町短歌の会

一瞬に安全神話の崩壊す想定外とう言葉の虚しさ |
岡本 育与 |
去年の秋共にまつりを楽しみて逝く約束はしなかったのに |
加藤かずみ |
猛暑には図書館詣でで避暑気分のんびり読書うたたねもあり |
山崎 淳子 |
夕暮れて二重に雲の重なりて金の縁どり輝やきて見ゆ |
勝 曉子 |
人の世のまさかの坂を刷り込んで毎朝ポストに新聞届く |
奥田 貞子 |
生まれ来しそれが運命か貧富の差貧しさの理由知らずに生きる |
木村 久世 |
老漁師カキ養殖を迷いしもやる気を起させし広島の人 |
橋立 智子 |
飲みこみし思ひは言はずさりげなく交す会話のそれなりに弾む |
長坂吉余子 |
今日は無事明日はわからぬ老なれど朝顔の種子日付けしておく |
竹内 久恵 |
たおやかにされど凛としなでしこの日本女性世界に躍る |
大村寿美子 |
待ちわびし初風著く見えねども川面に尾花白くそよげり |
三留 享 |
公園の池に蓬の葉満ち溢れ淡きピンクの花数多咲く |
佐野 雄造 |
