•••••••••伊勢湾台風資 料椎しの木が強い風で鳥居の笠木に触れたに違いあかんぜ。ゴム長やズック靴はあぶない。自転車もすぐパンクだ……。」「おいおい、神明社隣の五ご郷ご社の鳥居の笠か木ぎが落ちとるぞ。」そんなばかな、あんな重い石で、しっかりい うさく はめこんであるものが飛ばされるわけがない─そんなことをワイワイ言い合いながら行ってみると、なるほど、道路沿いの鳥居の柱は立っていましたが、笠木が中央から二つに分かれて、参道の石畳の上へ重なって落ちているではありませんか。どうも東のそばのありません。これはえらいことになった。きっと折れたに違いないと、恐る恐る近寄って見ると、なんとまあ、下の部分が少し欠けただけで異常がありません。それいしても、笠木を払い落としてしまう大風のものすごさに、人々は今さらながらびっくりもし、損傷のなかった不思議さを思うのでした。分潮し岬み西方15キロに上陸、伊勢湾を北上して、岐阜県西部─富山県から日本海へ抜けたが、半田消防署の観測では、中心気圧930ミリバール、瞬間最大風速58メートルに達した。そのため、半田・名古屋をはじめ、伊勢湾周辺の海岸部の各地に、多数の死傷者と損壊家屋を出した。当町の被害も、死者8重傷4軽傷173にのぼり、住宅の全壊80半壊229で、阿久比川の決潰2か所延長383メートルで、農作物の損害も甚大だった。そのため、災害救助法が適用され、町議会も災害特別委員会を設け被災者の救済、復旧作業につとめ、全壊者には五坪の応急仮設住宅を支給した。全国からは、多数の救援金品が贈おられた。さきおの各地に甚大な被害を与えた台風15号は伊勢湾台風と名づけられたが、昭和34年156─ 五郷社鳥居 ─9月26日午後6時15─ 台風の被害 ─•••••••••••••••••
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