ろいいけお おつ333 ねしけう か しりねうっ333いう うきい ょう享き保ほ17年の夏のことだったそうなが、京から別べ当と実さ盛も様の御ご霊りのたたりじゃという。仲なという源氏の大将が北陸路を攻め上ってき太た郎ろに討たれてしもうた。首実検の時、木曽ぶとょうむらいかの太平洋戦争以前のお話です。草木に滝た太た郎ろさんというワラ細ざ工くの名人がおりました。滝太郎さんは、いつも8月に入ると忙しくなります。というのは、サネモリ様というワラ人形を作らなければならないからです。8月の末ごろから9月の初めにかけて、ウンカという緑色の小さな虫が大発生して、出穂直前の稲の茎や葉から養分を吸い取ってしまい、大被害を与えます。そこで草木の農家は「おんか送り」をして、ウンカを追い払わなければなりません。その時にサネモリ様のワラ人形が必要なのです。不思議がられた。それで髪を洗ってみたら、真っ白になったので、さすがは実盛殿だ、立派な身だしなみだが、さぞかしご無念であったろうと涙を流して惜しんだという話だ。そういうお方だから、きっと鎧よ兜かで身を固めたようなかっこうのイナゴに姿を変えてた3たってござらっしゃるに違いないと、村の衆は実盛様のワラ人形を作ってお供養をし、川へ流したら、イナゴがぱたっと出なくなってしもうた。それからというものは、イナゴばかりでなく、ウンカや稲の害虫を追い払うために、京から西ではサネモリ様を祀まるようになったそうじゃが、草木もやることにしたのじゃ。なにしろここは知多第一の港の大お野のの領地だったこともある進んだ所だからのう。」二、三人の大人に率いられた子供たちは、二メートル半ほどの竹た竿ざの先に滝太郎さんが丹精こめて作ったサネモリ様をかつぎ、太た鼓こましたら、ある物知りの老人がこんなことを教えてくれました。「それはのう、今から二百五十年ほども昔の西の方はえらいことイナゴが湧いて、稲がどんどん食われだした。さあ、大騒動じゃ。村中、国中総出でつかまえに出ても、どんどん湧いてくる。お祈りをしてみたが、少しも験がない。困り果てて、占ってもらうと、斉さ藤とた時、敗走する平家の軍の中で、一人だけとどまり残って戦い続けたが、源氏の勇将手て塚づ殿が言われるには、わしは昔、命を助けてもらった恩義のあるお方だが、もう六十過ぎのはずだが髪が真っ黒なのはどうしたことかとや鉦かを鳴らしながら芳よ池いを出発します。 稲の波の上を、残暑のむせかえる風と共になぜサネモリ様が登場するのか聞いて回り実盛様というのは平家の侍さ大将で、木き曽そ義よおんかの神様 出てござれサネモリ様が おさき立ちドーン ドーン子供たちのよく透る声は、うねりを見せる第四十一話サネモリ様149148
元のページ ../index.html#82