広報 あぐい
2008.12.01
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あぐいぶらり旅 〜施設かいわいを行く (東部小学校)〜

シリーズ 阿久比を歩く 89

 



東部小学校のシンボルの木
「メタセコイア」


作業をする東部小学校児童


東部小学校周辺をぶらり歩いた。

暦の上では立冬も過ぎ、本格的な冬近し。空は鉛色。北風も冷たい。県道南粕谷半田線沿いの街路樹は、黄色や赤に色づき、落ち葉は風が吹くたびに舞い上がる。

通学路では、「子ども見守り隊」の腕章を付けた男性が下校時の児童たちに優しく声を掛ける。寒い中、子どもたちを見守る姿には頭が下がる。手をつなぎ友達と仲良く歌を歌いながら下校する子どもたちの姿は、実に無邪気でかわいらしい。

小学校西側の正門から友人の母校に足を踏み入れる。「懐かしいにおいがしますね」。友人の顔が緩む。

「わが母校は、東門近くにそびえるクリスマスツリーに似た〈メタセコイア〉の木が自慢なんですよ」。校舎の高さを追い越す勢いで伸び、二等辺三角形を成す形は見事だ。「写生大会では卒業するまで、ずっとこの木を描き続けました」。「どうして?」。「校舎を描くのが難しかったからです」。「えっ、それが理由なの……」。

放課後の校庭では、児童たちが一輪車で作業を行っている。指導に当たる先生が何をしているか話してくれる。

「学校の伝統で、卒業式の会場となる体育館に、全校児童が育てた花を飾ります。子どもたちは、きれいな花を咲かせるために自分たちの手で“1人1鉢の花”の土作りを実践しています。一輪車で運んでいるのは土や牛ふんですよ。毎年3月には素晴らしい花が育ちますよ」。

寒さにも負けず、楽しそうに作業をするのは5年生。男の子に学校の自慢できるところを尋ねてみる。「ホタルを大切に育てていることと、メタセコイアの木です」。学校内にはホタルが観察できる場所「ホタルワールド」が設けられ、6月下旬には一般開放してホタル観賞会が開かれている。

「今日は何だか妙にうれしかったです。やっぱり母校はいいですね。僕と同じ自慢をしていた子は、将来有望ですね。楽しみです。〈♪なだらかな 丘のふもとに 平和のまちの 空がすむ……♪〉」。久しぶりに友人十八番の東部小学校校歌を聞いた。相変わらず音は外れていた。



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