広報 あぐい
2008.09.01
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あぐいぶらり旅 〜施設かいわいを行く (中央公民館)〜

シリーズ 阿久比を歩く 83

 



遺跡や古窯から出土した
やじりやつぼが並ぶ資料室



町営プールで元気に遊ぶ子どもたち


町立中央公民館かいわいを歩いた。役場の北側に本館と南館が並ぶ。

本館の周りをぐるりと回る。東側の壁際は、花壇に植えられたゴーヤのつるが伸び、緑のカーテンを作る。コンクリートの白い壁に緑が映え、美しい景観を醸し出す。

中央公民館本館は昭和52年9月に完成。3階建てで、趣味やサークルなど各種の活動を幅広く行える場所で、人と人をつなぐ町の生涯学習の拠点である。

南側入口から本館の中に入る。夏休みに開放される町営プールでの遊びを終えて、親の迎えを待つ子どもたちが、ロビーのいすでくつろぐ。友人が、真っ黒に日焼けした男の子に声を掛ける。「プールで毎日遊ぶの。オリンピックで金メダルを取った北島康介知ってるか?」。「『超気持ちいい』の人でしょ」。子どもたちとの会話が弾む。この夏はどこへ行っても北京オリンピックの話題で盛り上がる。

公民館の中央には中庭が造られる。すらりと孟宗竹が群生し、地面には砂利が敷き詰められ、おしゃれな日本庭園が演出されている。庭を見て抹茶でも飲みながら一服といきたいところだが、外は暑いので、クーラーの利いたロビーから庭園を満喫。

2階へと足を運ぶ。資料室に町の遺跡や古窯から出土したやじりやつぼが飾られる。小学5年生のとき、歴史クラブに1年在籍し、考古学者を夢見た私?にとっては興味深いものがずらりと並ぶ。「このやじりさあ…」。得意になって力説したが、隣を振り向くと友人は携帯電話のメールを見てニヤニヤ。古代ロマンにはまったく興味がなさそうだ。

公民館では、かつて結婚披露宴も行われ、3組が宴を挙げた。3階大会議室にある大きな「びょうぶ」は、そのときの名残りでもある。新婚ホヤホヤでもある友人に「もう一度ここで披露宴やったらどう」と勧める。「今の幸せを、もう一度みんなに見てもらいたいです。冗談ですけどね…」。美人の奥さんをもらった男の言葉には自信と深みがある。

公民館を出る。涼を求めて町営プールをのぞく。プールでは子どもたちが元気だ。「北島のまねかなあ。平泳ぎする子が多いよね」と友人に話し掛けたが返事がない。またメールを見てニヤニヤ。しばらく新婚の友人とは会話がかみ合わないぶらり旅が続くかもしれない。



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