広報 あぐい
2008.06.15
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あぐいぶらり旅 〜境界線を行く (6)〜

シリーズ 阿久比を歩く 78

 



何やら会話をする?カモたち



白沢八幡線から見える草木地区


知多市との境界から少し離れてしまったが、結芽木橋付近から白沢地区の民家の間を通り、遠回りして県道白沢八幡線を目指す。

梅雨の季節が到来。道沿いにアジサイの花が色付く。赤、青、それとも紫か。完全に咲くまで色がはっきりと分からない不思議な花だ。土が酸性かアルカリ性かで微妙に花の色が変化するらしい。「僕は女性と話すとき、顔がすぐに赤くなってしまうんですよね。アルカリ性が強いからでしょうかねえ」。友人が首をかしげる。「アルカリ性なら健康と言うことだよ」という私の一言に、友人はニッコリうなずく。

県道白沢八幡線にぶつかる。道は阿久比町と知多市を二分して続く。高台から草木地区の町並みが一望できる。蓮池配水場と草木グランドを横目に進む。4月下旬に農業まつりでこの周辺を訪れた際、田んぼ一面レンゲ草の花が広がっていたが、今は稲の植わった水田へと様変わり。私たちの足音で、オタマジャクシたちが水しぶきを飛ばす。

ウメやビワの木には、枝が折れそうなほど、たわわに実がなる。カラスがビワの実を口ばしで突く。乙ケ脇下池の方から飛んできたカモ5羽が、水田に降り立つ場面に出くわす。稲と稲の間を器用に、すり抜けるようにして泳ぐ。

「グワッ、グワッ」「グアー、グアー」。「やつら、何話してるんでしょうね」。「え…」。「気になるなあ。人が話していることが気になってしょうがないんですよね」。「あそこにいるのは人じゃなくて、カモだよ」。「そうなんですけどね。(ブツブツ……)」。カモたちはしばらくすると別の場所に飛び立つ。

愛知用水水路と平行に進む。進路方向右手に知多市地内にある佐布里(そうり)池が見える。水の色は濃い緑。大きな池で眺めもいい。静かな池を遠くから眺める。

用水路に沿えば、境界線を行けそうだが、危険を伴うので安全な道を歩く。県道西尾知多線に出て、多賀神社の前まで進み、今回のぶらり旅を終えた。

いよいよゴールが見えてきた。「ファイトー」。「一発」。次回に備え、気合いを入れて友人と別れた。



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