広報 あぐい
2008.05.15
バックナンバーHOMEPDF版 ダウンロードページへ

あぐいぶらり旅 〜境界線を行く (4)〜

シリーズ 阿久比を歩く 76

 



高根台の道路脇に咲くツツジ



阿久比町と東浦町の境界地点


県道西尾知多線の阿久比町、半田市、東浦町が交わる場所から歩き始める。田んぼや雑木林の中に境界が入り組んでいる。

行き止まりになれば、来た道を戻り、とにかくある道を進む。広い道路にぶつかり、地図と地形が一致する場所が確認できたのでそのまま道なりに歩く。左手に阿久比町、右手に東浦町の分かりやすい境界がしばらく続く。

早くも田んぼでは、田植えをする光景が見られる。田植機が広い水田をアメンボのように気持ちよく進む。

「田んぼに足を入れると、ズボッとはまって、なかなか前に行くことができないのに、重たい機械があんなに自由自在に動けるのは不思議ですよね」と友人が首をかしげる。「そうだよね。いまだに飛行機が空を飛べる理由が分からないもんなあ」。「お互い機械に弱いですよねえ」。(笑)

県道東浦阿久比線を横断。北西に向かう。日差しも強く、新緑がまぶしい。田んぼや畑が四方に広がり、あぜ道の草を刈る機械の音が響く。

坂道を登りきると、高根台の住宅地となる。先ほどまでの景色とがらり雰囲気が変わる。

天候もよく、休日とあって車を磨く人を多く見掛ける。赤や青の車がピカピカに光り輝く。「僕の車は年に数えるほどしか洗車しないからきたないけど、君の自慢のスーパー軽自動車はいつもピカピカだよね」。「車と靴は男の身だしなみとして、いつも磨いています。最近は暇さえあれば心も磨くようにしてますよ」。「本当かなあ?」。

高根台を通り抜ける沿道のツツジの花が咲く。ピンクやシロの花の色は実に鮮やかで、足を止めて2人で見入ってしまう。

「ついこの前まではウメにサクラ。今はツツジ。花を見ながら一年中歌が詠めますよね」。「どう一首」。「……。今日はいい歌が浮かびません」。「えっ?」。

ツツジの花道を通り、先を急ぐ。東浦町側から知多半島道路をくぐる。メイツ巽ケ丘のマンション周辺まで歩を進めた。地図を見ると東浦町と知多市の境界が複雑に区切られる。名鉄巽ケ丘駅まできて今回のぶらり旅を終える。

次回につづく。



<<前ページへ ▲目次ページへ 次のページへ>>