広報 あぐい
2008.03.15
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あぐいぶらり旅
〜ふれあいマップを歩く(体力づくりコース 3)〜

シリーズ 阿久比を歩く 72

 
 
八幡神社狛犬の上に残されたツト


北原天満宮に咲く梅の花

高根台西公園前の信号を左に曲がり住宅街を通り抜ける。少し歩くと住宅がなくなり、畑を横目に細い坂道を上り第11チェックポイントの「白沢グランド」を目指す。

人の声が聞こえる。グランドでは揃いのユニホームを着た子どもたちが野球の練習に励む。コーチの大きな声が飛ぶ。それに負けじと駆け回る子どもたちの姿は実に気持ちがいい。

「この少年たち、大リーガーのイチローは知っていると思うけど、星飛雄馬の大リーグボールは知らないだろうなあ」。私がくだらないことを言うと「僕も知らないですよ」。「えぇ。そうなの」。友人と年の差を感じた。

第12チェックポイントの「北原天満宮」に梅の花が咲く。北原天満宮は天暦9(955)年、菅原道真公を祭神として、阿久比の郷を開いたといわれる英比麿(道真の孫)住居跡に建てられたとされる。

道真公が梅を愛し、英比麿の子孫で坂部城主になった久松家が梅を家紋としたゆかりもあり、梅の花は「町の花」にも制定されている。

東風(こち)吹かば 匂ひおこせよ梅の花 あるじなしとて 春をわするな〉

道真公が詠んだ和歌が境内の立て札に紹介されている。「〈うめー梅 早く食べたい 梅干で〉と詠んだのは君だったよねえ。いつかどこかで紹介されることを期待するよ」。「いやー、僕の作品なんか……」。友人の笑顔はまんざらでもなさそう。

第13チェックポイントの「八幡社」に着く。この神社では、毎年旧暦の1月7日の早朝に「山の神祭り」が行われる。わらで長さ1mほどの「ツト」と呼ばれる縄を編み、神社拝殿前に飾られた縄にツトを掛けて「山の神の頂栄さ無事息災に頂栄さ……」と唱えながら1年の豊作や健康が祈られる。2月13日に祭りが行われたと聞く。狛犬にツトが残される。縁起物だと思い、私たちもそのツトに触れて境内を後にする。

10.5kmあった「体力づくりコース」もいよいよ最後の第14チェックポイントの「宝安寺」を残すのみとなった。重かった足取りもいつのまにか軽やか。「♪梅は咲いたかぁー、桜はまだかいなぁー♪」2人で鼻歌を口ずさむ。あっという間に宝安寺に到着した。

今回のぶらり旅では、運動不足も少しだけ解消できたし、春の訪れも感じることができた。次はどこへ出掛けようか考えながら帰途に就く。



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