広報 あぐい
2008.03.01
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あぐいぶらり旅
〜ふれあいマップを歩く(体力づくりコース 2)〜

シリーズ 阿久比を歩く 71

 

体力づくりコース
 
興昌寺の山門と行者堂


酒造神「松尾皇太神」の石碑

第7チェックポイントの「熊野神社」に立ち寄る。境内奥の小高い丘に酒造神「松尾皇太神」の石碑が立つ。かつてこの地から杜氏(とうじ)と呼ばれる酒造りの職人が、全国各地に出掛けて行った。杜氏たちはこの神社で美酒醸造を祈願したといわれる。

「最近飲み会に行くと、ビールよりも熱燗(あつかん)にした日本酒を飲むんだよね」。「だんだんと“おやじ”になってきましたね」と友人に言われたが返す言葉がない。

人の声が騒がしい。第8チェックポイント「安楽寺」の山門前から長い人の列が続く。私鉄会社が「知多四国」を歩いて巡る企画を催し、今日は阿久比町にある「知多四国」を巡る日のようだ。「納経所」前から人の列が始まる。今年は知多四国霊場開創200年の節目の年に当たり、記念の朱印を押してもらえるらしい。

知多四国巡りの参加者にまぎれて福山川沿いを歩き、第9チェックポイントの「興昌寺」に向かう。

興昌寺の参道や境内も多くの人でごった返す。山門右の行者堂に知多四国八十八カ所霊場三開山の1人で福住出身の岡戸半蔵木像がまつられる。

文化6(1809)年、古見(知多市)妙楽寺の亮山上人(りょうざんしょうにん)の夢に弘法大師が現れ「知多の地に霊場を開きなさい。協力者として2人の行者を遣わす」と告げたことが知多四国の始まりとされる。岡戸半蔵と讃岐(香川県)の武田安兵衛(たけだやすべえ)が「2人の行者」となり3人で知多半島の寺を巡り、八十八カ所の霊場を制定する。

「知りませんでした。そうなんですか」。行者堂で手を合わす名古屋市から来た親子は岡戸半蔵の存在を知り驚いていた。知多四国霊場開創200年にもかかわらず、尽力してきた先人が意外と知られていない。行者堂に目を向けず素通りしていく人が多いのは少し残念だ。

再び川沿いを歩き、第10チェックポイント「福住老人憩の家」の前を通り北へ向かう。

2人の会話が途切れる。散歩をする犬と男性にすれ違う。その場を盛り上げようと私が「面白い話をするよ。さっきの犬、顔も白かったけど、しっぽも白かったよね。しっぽのこと尾とも言うよね。“()”も白いで『オモシロイ』。どう、面白い話だろ」と話し掛ける。「すごいおやじギャグですね」とかわされた。

体力づくりコースは先が長い。次号につづく。



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