広報 あぐい
2007.05.15
バックナンバーHOMEPDF版 ダウンロードページへ

あぐいぶらり旅 〜阿久比の道を行く(西尾知多線 1)〜

シリーズ 阿久比を歩く 52

 



タンポポの綿毛



梅の実


西尾知多線(県道46号線)の阿久比地内最東端からスタートし、西へ向かいぶらり旅を始めた。

道端に咲くタンポポの花にはミツバチが止まり、その横で綿毛は風が吹くのを待っている。つい最近までピンク色のレンゲ草が咲いていた田んぼにも水が張られ、田植えの準備が進む。

県道から道を少し脇にそれ、農道を歩く。梅の木が目に付く。枝には実が生り始めている。鼻を近づける。「いいにおいがするねぇ」。すっかり花粉症が治まった私にはほんのりと甘酸っぱい香りがした。友人は「今日は鼻が詰まっていて、何もにおいません」。(季節感のないつまらない男である。)

「ケーン。ケーン」。キジの鳴き声がよく聞こえる。田んぼに目を向ける。あぜ道で首を長く伸ばしキョロキョロとするキジを発見。「あそこにもいますよ」。「あれもそうじゃないか」。確認できただけでも3羽いた。双眼鏡がなくてもバードウォッチングを楽しめた。

県道に戻る。こいのぼりが民家の軒先で風に泳ぐ。「ゴールデンウィークの予定は」と友人に尋ねられる。「どこに行っても混むから、近くの公園でも行って、子どもと自転車の練習でもしようかなあ」。「ところで君は」。「まあ、それなりに忙しいですね」と不敵な笑み浮かべて意味不明なことを話していた。

JAあいち知多のシンボルタワー「カントリーエレベーター」を通り過ぎたころから車の量が増える。知多半島道路が近いせいか特にトラックが多く通り過ぎる。見ず知らずの車にクラクションを鳴らされる。誰だか分からない。激励だと勝手に想像し歩を進める。

少し高台に竹やぶが見える。タケノコが1mほど伸びている。「あれだけ伸びているとタケノコは、かたくて食べられないんだよ」と友人に教えると「へぇ、そうなんですか。タケノコはいつから大人になるんですかね」。「それは難しい質問だな。ところで今日は“梅”と“竹”ときたから次は何がくれば最高だと思う」。「疲れたから甘いものがいいですね」。「えぇ…。“松”を探しにいこう」。

阿久比川を眺めて今回のぶらり旅を終えた。次号につづく。



<<前ページへ ▲目次ページへ 次のページへ>>