広報 あぐい
2007.04.01
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あぐいぶらり旅 〜阿久比の道を行く(県道55号線 1)〜

シリーズ 阿久比を歩く 49

 



色鮮やかに咲く菜の花



道端のツクシ


日曜日、友人と2人で阿久比駅発午前9時11分の名古屋方面に向かう名鉄電車に乗り、3つ目の駅巽ヶ丘で降りる。巽ヶ丘駅西前の道路付近が、阿久比地内での県道55線最北端。今回はここからスタートして県道を南に下るぶらり旅に出掛けた。

日差しは春。良い天気だが、風は強く、朝セットした髪が乱れる。開店前のスーパー入口に行列が出来ている。日曜特売を目当てに並んでいる買い物客だろう(たまに開店前に並ぶことがあり、そこに並んでいる人たちの目つきと同じだったので間違いない)。風に乗って食欲をそそる揚げ物のにおいが流れてくる。県道の車が通り過ぎるのを横目に歩を進める。

道端の所どころにタンポポやツクシが目立つ。阿久比川と草木川の合流付近で菜の花が一面に広がる場所を見つけた。黄色の鮮やかさがとてもまぶしい。その風景を写真で残そうとカメラで撮影を始める。友人が「僕がモデルになりましょうか」と笑みを浮かべながら話し掛けてきたのでカメラをしまった。

途中で休憩を取ることにした。まんじゅう屋さんに立ち寄り、春らしく“桜餅”を2つ購入。県道から少し道を外れ、坂部駅前のベンチに座り、缶コーヒーを飲みながら桜餅を食べる。

先ほどから女性の笑い声が気になる。休憩しているところから少し離れたベンチに、若い女性が2人楽しそうに話し込んでいる。“シャイ”な私たちだが思い切って話し掛けてみる。

「天気が良いので、外でおしゃべりをしています」と笑顔の素敵な2人は阿久比在住の19歳の学生。『あぐいぶらり旅』を読んだことがあると言ってくれた。北の方からずっと歩いてきたことを話すと「本当ですか。すごいですね」と感動してくれる。

「僕たち阿久比を歩いて回っているんだけど、この町の好きなところはありますか」と尋ねる。「田んぼが多くて、のどかなところです」と答えが返ってきた。

女性たちと別れ、少し歩くと友人が「今どきの若い子にしては好感の持てる、素朴な2人だったなあ」とうなずきながらひとりでしゃべっている。「顔を赤くして、女性と話す君も素朴で純情だよ」と私が言うと、友人は照れくさそうに顔を赤くして、頭をかいていた。

役場まで歩いて今回の旅を終えた。次回はさらに南下を続けようと思う。



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