広報 あぐい
2006.07.15
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あぐいぶらり旅 〜村絵図を歩く(福住村)〜

シリーズ 阿久比を歩く 32

 


福住村絵図
(阿久比町誌資料編1村絵図解説書から)


祠がまつられる若宮八幡宮跡


大きな鈴がつり下がった縣神社の拝殿

梅雨空の日曜日の午後、ぶらり旅に出掛けた。今回は福住村を歩いた。

絵図には南端から福山川まで道路が延びている。現在の県道名古屋半田線であろう。今年1月には「福住新橋」が開通し、道路幅も広がり多くの車とすれ違う。

荒古付近の「若宮八幡宮」を探した。県道から背の高い木が目に付く。その木を目標に進む。

小高い丘に2つのほこらがまつられている。津島神社と秋葉神社と書かれた札が目に付く。秋葉神社の祠の前には2基の常夜灯が並べられ「福住村中安全」と刻まれている。八幡宮は民家の間に宮跡としてひっそりと残る。
(若宮八幡宮は大正元年に縣神社に合祀される。)

細道を通り抜け、福山川に突き当たる。川は午前中の雨で増水し、泥水で濁っている。橋を渡り絵図の東西に通じる道を東へ向かう。

北側に「縣神社」と書かれた白いのぼりが何本も連なっているのが見えた。絵図に記された「氏神」である。

坂道を上る。さらに石段を上る。とても勾配がきつく息が切れる。やっとの思いで縣神社に到着。

拝殿の正面には直径30cmくらいの鈴がつり下げられていた。さい銭箱に小銭を投げ、鈴を鳴らしてから願い事をする。(何を願ったかはヒ・ミ・ツ)

社の左横には、村の各所から集められた“神”が小さなほこらにまつられ一列に並んでいる。

そろそろ次の場所へ行こうかと思っていた矢先、突然雨が降り出した。友人と雨宿りをすることにする。さい銭箱横の石段に腰を下ろして雨が上がるのを待つ。静かな場所に2人きり。しゃべることもないのでしばし沈黙が続く。
(隣にすてきな人が座っていたら、静かな鎮守の森の中で楽しい会話が弾んだだろうに…。)

しばらくして雨が上がる。私はやぶ蚊に2カ所刺され、友人は3カ所も刺される。蒸し暑かったのが、少し涼しくなった。

最後に「寺」と記された場所を訪れた。現在の興昌寺である。

山門に向かって左の行者堂から、知多四国八十八カ所の創始者の1人、福住村出身の岡戸半蔵像が顔をのぞかせている。にこやかな笑みは「お疲れさん。次回はどこに行くのかね」と声を掛けられているように見えた。



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